最高の財産は教養である

私の母は私が1歳になる前に離婚をし、女手一つで私を育ててくれました。会社経営をして順調だったときもありましたがある時期から大病を患い健康を失い、やがて経営破綻。
仕事も失い、更に詐欺にあい、当然社員も、財産も全てなくなりました。スッカラカンという言葉がピッタリです。

そんな辛い状況にいる母がある時、私に言った一言が今に繋がってるかもしれません。今思うと母が私に初めて弱音であり本音を言ったときかもしれません。

「母子家庭だからと言って恥ずかしい思いをさせたくなかったの。
立派にお嫁に出したかったし。
でもごめんね。あなたに残してあげたいと思っていた財産(お金)は全てなくなっちゃった。ごめんね。
お金は使い方を間違えると怖いんだよ。
でもねあなたは品格を磨きなさい。
教養を身に付けなさい。
品格、教養は誰も取っていくことが出来ない財産だから。自分を磨きなさい。」

言われたのは今から確か二十歳頃です。今でもその言葉がいつも胸にあります。母の理想通りの娘にはなっていませんが、もしかするとその言葉を頂いたことが私にとっての財産だったかもしれません。